医療系総合大学で看護・理学療法・作業療法・臨床検査・臨床工学・鍼灸を学ぶ

研究活動報告

学術論文

堀竜次先生

堀竜次先生
准教授

理学療法学科

「Coordination between respiration and swallowing during non-invasive positive pressure ventilation」非侵襲的人工呼吸管理下の呼吸と嚥下の協調性について

掲載誌:Respirology 2016

日本における死因3位は肺炎であり、うち誤嚥性肺炎が大半を占めている。誤嚥を予防する上で、気道保護機能としての呼吸と嚥下の協調性は重要である。非侵襲的人工呼吸(NPPV)管理下の嚥下機能は、侵襲的人工呼吸管理に比べ嚥下機能は比較的保たれていると考えられているが、明らかにされていない。健常者を対象に、NPPV管理下の呼吸と嚥下の協調性について、嚥下後の呼吸位相のタイミングから検討した。NPPV管理の中でBiPAPモードは、嚥下後の吸息再開率が増加することから睡眠中の唾液誤嚥による肺炎のリスクが高くなることを示唆した。また、吸息のトリガーとなるのが非呼吸性嚥下フロー(SNIF)であることも証明し、今後の呼吸管理に貢献できる内容として論文に掲載された。


川畑浩久先生

川畑浩久先生
教授

臨床検査学科

  • 青木元邦先生 教授

「Therapeutic Effect of Intra-Articular Injection of Ribbon-Type Decoy Oligonucleotides for Hypoxia Inducible Factor-1 on Joint Contracture in an Immobilized Knee Animal Model」膝関節不動化モデル動物における関節拘縮で活性化されるHIF-1に対するリボン型デコイ核酸医薬の関節内注射の治療効果)

掲載誌:Journal of Gene Medicine 2016

関節拘縮は関節の安静や固定により、筋の萎縮・短縮や滑膜組織の線維化が生じ、可動域が低下してしまう状態です。今回私たちは滑膜組織に着目し検討したところ、関節固定により低酸素状態で誘導される分子HIF-1の活性化が滑膜の線維化を進展させることを明らかにし、さらには人工遺伝子によるHIF-1活性阻害がその進展を抑制することなどを示しました。この結果は関節拘縮に対する新たな分子治療法の開発・展開を期待させることから、遺伝子治療の専門国際誌に掲載されました。


上田真也先生

上田真也先生
講師

鍼灸学科

  • 中原英博先生 准教授
  • 宮本忠吉先生 教授

「Neural regulation of hindlimb muscle contraction-induced glucagon-like peptide-1 and peptide YY secretion in rats」ラットにおける後肢筋収縮誘発性のグルカゴン様ペプチド-1とペプチドYY分泌の神経性調節

掲載誌:J Phys Fitness Sports Med 2015

運動時、食欲を抑制する消化管ホルモンであるグルカゴン様ペプチド-1 (GLP-1)やペプチドYY (PYY)の分泌亢進が起こり、”Exercise-induced anorexia (運動誘発性食欲不振)”が生じます。しかし、運動時に観察されるGLP-1とPYYの分泌亢進に関する生理学的メカニズムについてはわかっていません。本研究では、ラットにおける後肢筋収縮モデルを用いて、運動時のGLP-1およびPYYの分泌亢進が活動筋由来の求心性神経を介していることを明らかにしました。今後、肥満予防・改善に資する新規運動プログラムの構築に貢献できる研究として、スポーツ医学の専門誌に掲載されました。


小林彩香先生

小林彩香先生
助教

臨床検査学科

気管支肺胞洗浄液細胞診が有用であったアレルギー性気管支肺アスペルギルス症(allergic bronchopulmonary aspergillosis : ABPA)の1例 Cytology of bronchoalveolar lavage fluid can aid in the diagnosis of allergic bronchopulmonary aspergillosis: a case study

掲載誌:日本臨床細胞学会雑誌 2017

アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)は、アスペルギルスというカビが原因でアレルギー症状が引き起こされる病気です。比較的珍しい病気であるため、それと気付かれず治療されていることがあります。診断が遅れると、徐々に気管支や肺の機能が失われていくので、早期に診断し適切な治療を開始することが重要です。今回の論文は、身体を傷つけることなく検査材料が得られる細胞診を用いてABPAが診断できたことを報告したもので、診断に有用な細胞像について詳しく記述しており、専門雑誌に掲載されました。


森美侑紀先生

森美侑紀先生
准教授

大学院
保健医療学
研究科

  • 川畑浩久先生 教授
  • 青木元邦先生 教授

「Wound Healing Potential of Lavender Oil by Acceleration of Granulation and Wound Contraction through Induction of TGF-β in a Rat Model」ラベンダー精油がラット創傷治癒モデルにおいてTGF-βの誘導を介して肉芽組織形成および創傷収縮を促進する可能性

掲載誌:BMC Complementary and Alternative Medicine 2016

アロマセラピーで用いられる植物精油は、生体にさまざまな効果をもたらすとされていますが、その機序については不明な点も多くあります。そこで傷の修復に有効であるとされてきたラベンダーの効果について、分子メカニズムもあわせて検討いたしました。その結果、ラベンダーは修復の鍵となる分子TGF-βの発現を誘導することで、修復を促進することが明らかになりました。本研究はアロマセラピーの有効性を示す有意義な研究として、補完代替医療の専門国際誌に掲載されました。


小島賢久先生

小島賢久先生
教授

鍼灸学科

「Effects of moxibustion on body core temperature responses in rats」

掲載誌:Nano Biomedicine 2014

本研究は、ラットを用いて深部体温に対する灸の効果を生理学的および病理学的な方法を用いて検討しました。40℃(間接灸モデル)および80℃(直接灸モデル)の温熱刺激により体温上昇、心拍数増加などの生体反応が引き起こされました。ほぼ同様の反応が見られたことから、皮膚損傷の少ない40℃の温熱刺激の方が効果的であると考えられました。これらの生体反応を起こすメカニズムとして神経経路、特に青斑核-交感神経幹の関与が示唆されました。また、深部体温の上昇については、40℃刺激と80℃刺激では異なるメカニズムによって起こる可能性が考えられました。ラットが小動物であり、その代謝系が人間のものとは異なっているとしても、このような結果から、鍼灸師の施灸方法について、検討の余地があると考えられます。


渡辺長先生

渡辺長先生
講師

理学療法学科

「Factors Influencing the Intention to Leave Elderly Care Among Village Health Volunteers in Muang District in Nakhon Ratchasima Province, Thailand」「タイ東北部の高齢者ケアに携わる保健ボランティアの離職に影響を及ぼす因子の研究」

掲載誌:Journal of International Health 2016

タイを初めとするアジア新興国では著しい経済発展の裏で、日本を上回るスピードで高齢化が進行しています。タイにおける平均寿命は男性69.5歳、女性76.3歳。高齢者の主な死因は、第一位が悪性新生物、第二位が心疾患、第三位が脳血管疾患であり、先進国同様、長寿化に伴う生活習慣病を起因とする死因が上位を占めています。 一方、高齢者ケアについては日本の介護保険や年金といった社会保障や介護施設がなく、医師・看護師を始めとする医療従事者も不足しています。こうしたことから、ケアは専ら家族が担わなければならないのですが、農村部の多くの若者が都市部へ出稼ぎに出てしまってる現状があります。そのため、地域の保健ボランティアは、高齢者ケアを支える要となっています。しかし近年、この高齢者ケアを担う保健ボランティアの離職率が高いことが多くの国で報告されていました。そこで、本研究では彼らの退職を考えている割合と、それに影響を与える因子を統計学的に明らかにし、国際保健の専門誌に掲載されました。


学会発表

脇英彦先生

脇英彦先生
教授

臨床検査学科

門脈圧予測式より算定した予測門脈圧と肝切除術中門脈圧の比較 (肝静脈到達時間とエラストグラフィーから門脈圧を予測した前向き試験の検討) Study of prospective test predicting portal vein pressure from hepatic vein arrival time and liver tissue elastography

日本超音波医学会第88回学術集会
(アジア超音波医学会(AFSUMB)、アジア造影超音波医学会(ACUCI)同時開催)にて発表

肝癌の治療として外科的肝切除術は最も根治的な治療法です。肝切除を行うにあたり、肝臓を栄養する重要な血管である門脈の圧力は術後合併症の予測に有用であり、手術前に門脈圧を推定することは肝切除術式選択や肝切除後の予測に重要な指標になります。本研究では、超音波造影剤を用いた肝循環動態の指標と肝実質エラストグラフィーを用いた肝線維化の指標から門脈圧推定式を算定し、25例の肝切除症例で比較検討をしました。予測門脈圧と術中門脈圧の相関はr=0.57 p<0.03と有意であり、超音波を用いた本法は低侵襲に門脈圧の推定に有用と考えました。


工藤慎太郎先生

工藤慎太郎先生
講師

理学療法学科

The effects of the rigid foot orthosis for the 3D foot kinematics(硬度の高い足底挿板の三次元足部挙動に対する効果)

6th Asian federation of foot and ankle surgeons第6回アジア足の外科学会(奈良)
科学研究費若手B採択研究にて発表

足部の土踏まずのない扁平足は、体重をかけたときの足の動きが健常者とは異なることをこれまでの研究で明らかにしてきました。そこで,体重をかけたときの正常人の足部の3次元的な変化を扁平足の人でも再現するための足底挿板を作成することを考えて研究を進めています。足底挿板の効果は形状と材質で決定すると言われていますが,多くの研究は形状に注目しますが、私はその材質に注目して研究を進めています.そこで,足の裏の形に合わせた。撓みのない硬い足底挿板を作成し、足部の3次元的な足の挙動を計測しました。その結果,土踏まずの制御はできているのですが,足の外側の骨の動きは正常人と同一とはなっていませんでした。今回の結果から内側の硬さと外側の硬さを変化させることで,より効果の高い足底挿板が作成できると考えられました。


橋本弘子先生

橋本弘子先生
准教授

作業療法学科

パーキンソン病患者に対するダンスの有効性について A study on the effectiveness of dance for Parkinson's disease patients

第50回日本作業療法学会
第10回パーキンソン病・運動障害疾患コングレスにて発表

本研究は、大脳基底核に働きかけPD症状にも有効な治療的要素を持つリハビリテーションダンスの作成とその有効性の検証です。ダンス群、体操群、コントロール群の3郡で、3か月半の介入期間と非介入期間を設けて検証しました。その結果、介入開始から1か月で有意な改善をしたのは運動機能のBBS(バランス機能)とパーキンソン病の全般的症状(UPDRS)でした。そして介入開始から3か月半でBBS、認知機能のFAB(前頭葉機能)、MR(運動イメージ)、精神症状のAS(やる気)、SDS(抑うつ)、UPDRSが改善しました。3か月半の介入は運動症状、非運動症状、全般的症状に効果的であることが分かりました。しかし、効果の持続を見ると3か月半かけて改善した機能は1か月の休息によって明らかに有意に低下することが分かりました。今回の結果はパーキンソンダンスの有効性、リハビリ継続の重要性と介入中断の期間が1か月を超えてはいけないことを示す重要な研究です。


上西洋子先生

上西洋子先生
教授

看護学科

特別養護老人ホームにおける認知症高齢者の緩和ケアプロセスに関する研究

Research of crisis and support to families of elders with terminal dementia during palliative care processThe 9th Asia / Oceania Congress of Geriatrics and Gerontology (2011 in Melbourne)にて発表

Communication and supporting to the elders with severe dementia by their families in the nursing home30th International Conference of Alzheimer's Disease International (ADI 2015 in Perth )
第39回・第40回日本看護研究学会にて発表

認知症を持ちながら長年経過して終末期を迎えた高齢者と家族、看護・介護している医療職者の緩和ケアプロセスを明らかにする目的で、第1段階は特別養護老人ホームに勤務している看護師、介護士等の医療職者にインタビューを行い、第2段階では長年見守っている家族にインタビューを行いました。内容分析をした結果、看取り実践の有無による施設間の対応の違い、看取りに関して医療職者の連携や教育・情報提供の必要性、家族と認知症高齢者とのコミュニケーション方法や意思決定、体験からの思い等が明らかになりました。


仲西一先生

仲西一先生
助教

臨床検査学科

「パーキンソン病患者の上肢反復動作における動作特徴について」

第10回パーキンソン病運動障害疾患コングレンスにて発表

パーキンソン病は中脳の黒質の変性によりドーパミンが減少する高齢者に多い疾患です。日常生活では箸操作、キャップの開閉など繰り返しの多い物の操作が困難となるため、道具操作時の反復動作の特徴を明らかにする目的で調査を行いました。
パーキンソン病患者5名、健常者6名に対して独自に作成した回転課題を実施。回転課題は円筒形の缶の上部に取り付けた回転部分(計測のためポテンショメーターを内蔵)を回転するものです。被験者は円筒形の缶部分を非利き手で固定、利き手で回転部分をできるだけ早く10回転する。回転角度・時間、次の回転までのインターバル、総回転数を記録しました。パーキンソン病では徐々に回転角度が減少したのに対して、健常者では変化が見られませんでした。また回転時間、次の回転までのインターバルでは両群間に差は見られませんでした。
パーキンソン病患者での回転角度の減少から、日常動作においても同様の現象が見られると考えます。


松熊英明先生

松熊英明先生
准教授

鍼灸学科

「Anti-inflammatory effect of moxibustion on adjuvant-induced arthritis」アジュバント関節炎に対する灸刺激の抗炎症効果の免疫学的検討

International Conference of World Federation of Acupuncture-Moxibustion Societies Tokyo/Tsukuba 2016にて発表

この研究は関節リウマチ患者に対する灸治療の効果とその機序を解明するため、関節リウマチの動物モデルの一つであるアジュバント関節炎ラットを用いて、灸刺激による関節炎への抗炎症効果について調べた研究で、国際学会で発表されました。アジュバント関節炎は結核菌の死菌体を含む特殊な溶液をラットの足に投与することにより引き起こすことができます。溶液投与後10日目から自己免疫性の炎症が起き、全身の関節に拡がっていきます。炎症が始まる10日目頃、末梢血ではT細胞が増加し、その後しばらくして好中球が増加し、関節炎を悪化させることが分かっています。今回の研究の結果、灸刺激は溶液投与後10日目にT細胞の増加を抑制することにより、両側の足部の二次炎症期に関節部位に集積する好中球を減少させて、腫脹を抑制する可能性が明らかとなりました。


上西洋子先生

上西洋子先生
教授

看護学科

  • 外村昌子先生 講師
  • 津崎勝代先生 助教

Supporting factors of empowerment in aged breast cancer patients in Japan(高齢期乳がん患者のエンパワーメントを支える要因の検討)

21st of the International Congress on Palliative Care (PAL 2016 in Montreal)にて発表

乳がん患者の治療経過は10年以上と長期になる患者が増え、再発への恐れ、死への恐怖、治療継続への負担などが生じてきますが、一方では疾患をポジティブに捉え、強み(Empowerment)を活かしている患者も存在しています。高齢期乳がん患者のエンパワーメントの要因を明らかにする目的で、外来で長期間治療を受けながら生活している高齢期乳がん患者にインタビューを行いました。内容分析をした結果、疾患・治療に関して幅広く情報を得る、何事にも前向きな姿勢である、あきらめずに継続する等のセルフ・エンパワーメントが治療の継続に活かされて、患者同志のサポートや役に立ちたいという思い、他者と連携していく等がピア・エンパワーメントにつながり、長年継続できる要因になっていると示唆されました。


松下太先生

松下太先生
教授

作業療法学科

「重度認知症の人の意味のある作業とは?」

第50回日本作業療法学会にて発表

近年、本邦における作業療法の世界では、「意味のある作業」を捉えることが重要視されています。しかしながら、自らの希望を言葉にすることが困難な重度認知症の人の「意味のある作業」を明らかにすることは非常に難しいことがあります。そこで、本研究では特養に勤務する作業療法士を対象にアンケートを実施し、重度認知症の人の「意味のある作業」をどう捉えているのかを調査しました。結果、多くの作業療法士が重度認知症の人に対し、認知機能面やADL面の評価にとどまらず、「個人の背景因子」「表情」「今できること」「家族の希望」をアセスメントして「意味のある作業」を見出していました。しかし、「作業」の意味を狭く捉えているOTRは重度認知症の人に対する作業療法は実施できていないことがわかりました。さらに、重度認知症の人の、「安らぎ」「自分らしさ」「笑顔等の感情表出」だけでも、作業療法士は意味のある作業と考え、最期まで人間としての尊厳を重要視していることもわかりました。


過去の学術論文

中原英博先生

中原英博先生
准教授

鍼灸学科

  • 上田真也先生 講師
  • 宮本忠吉先生 教授

「Low-frequency severe-intensity interval training improves cardiorespiratory functions」 健常者に対する週1回の低頻度インターバルトレーニングが呼吸循環機能に及ぼす影響

掲載誌:Medicine & Science in Sports & Exercise 2015

インターバルトレーニングが、スポーツ選手のみならず、呼吸・循環器疾患の病態などにも有益な効果をもたらすことが知られています。しかしながら、現在、最も効率の良いインターバルトレーニング手法の確立には至っていません。そこで我々は、週1回の低頻度で行うインターバルトレーニングの有用性を検証しました。健常な男子学生を対象に、3ヵ月間週1回の高強度インターバルトレーニングを実施したところ、全身持久力の指標である最大酸素摂取量は13%増加し、数々のデータから高い強度の運動も楽に行えるようになっていることがわかりました。本研究は、僅か週に1回のトレーニングであっても心肺能力の向上が可能であることを明らかにしただけでなく、運動種目に応じたトレーニングプログラムの構築にも有用な情報を示し、スポーツ医学の国際専門誌に掲載されました。


工藤慎太郎先生

工藤慎太郎先生
講師

理学療法学科

「The influence of forefoot flexibility on medial tibial stress syndrome」 Medial tibial stress syndromeに前足部柔軟性が及ぼす影響

掲載誌:Journal of Orthopedics surgery 2015. In press

この論文は、ランナーなどのスポーツ選手に生じるふくらはぎの痛みに対する研究で、整形外科・理学療法分野の専門国際誌に掲載されました。ふくらはぎの痛みは悪化すると疲労骨折などにも繋がるため、スポーツ領域の理学療法分野ではその予防や早期発見が大きな課題ですが、これまで早期発見する手法は確立されていません。本研究では、この痛みの発生する選手は足の甲(前足部)の柔軟性が低下していることを明らかにし、我々が開発した簡便な測定方法で早期発見の可能性があることを報告しました。今後のスポーツ領域の理学療法分野に大きく貢献できる斬新な研究内容です。


伊津美 孝子先生

伊津美孝子先生
教授

看護学科

「eラーニングを活用した新人看護師研修プログラムの開発と評価  Development and Evaluation of New nurse Training Program which Utilizes e-Leaning」

掲載誌:教育システム情報学会誌-特集:医療・看護・福祉分野におけるICT利用教育 2014

看護業界では、臨床に就職した新人看護師の1年以内の早期離職率が高く、これは看護基礎教育と臨床教育のギャップが原因とされ、新人看護師に対する充実した卒後臨床教育が求められています。本研究では、教育側・新人看護師側の双方が主体的に研修できるシステムを開発しました。このシステムでは、看護技術映像のコンテンツを取り入れたe-Leaning(看護技術映像シーンに連動してコメントできるシステム)を活用します。e-Leaningでは、看護部全員が新人看護師の疑問や質問に随時コメントできるので、新人看護師はいつでもどこでも学習できます。このシステムを利用することで、新人の看護技術の修得度の向上や積極的な研修受講態度に繋がることを明らかにしました。卒後看護教育に大きな貢献ができる研究で、教育システムの専門誌に掲載されました。

制作したコンテンツ(看護技術映像)

川畑 浩久先生

川畑浩久先生
准教授

鍼灸学科

  • 青木元邦先生
  • 共通教育部門 教授

「Continuous Infusion of Angiotensin II Modulates Hypertrophic Differentiation and Apoptosis of Chondrocytes in Cartilage Formation of a Fracture Model Mouse」 アンギオテンシンIIの持続投与は骨折修復モデルの仮骨内軟骨組織において軟骨細胞の肥大化とアポトーシスを調節する

掲載誌:Hypertension Research 2015

今回私たちは、血圧調節ホルモンであるアンジオテンシンⅡが、生体内の軟骨細胞の分化をも調節することを明らかにしました。この結果は変形性関節症などの軟骨変性疾患でも血圧調節機構が関与していることを示しており、今後血圧調節機構も考慮した新たな軟骨変性疾患の治療法の展開につながることを期待させます。これまで独立していると考えられていた血圧と軟骨代謝の関連を分子レベルで明らかにし、高血圧の専門誌にハイライト論文として掲載されました。


宮本忠吉先生

宮本忠吉先生
教授

鍼灸学科

  • 中原英博先生 准教授

「Manipulation of central blood volume and implications for respiratory chemoreflex control function」 中心循環動態の変化が呼吸化学調節系の換気決定機構に及ぼす影響

掲載誌:American Journal of Physiology - Heart and Circulatory Physiology 2015

心不全の病態では、運動時の呼吸異常が起こることが知られており、心不全の患者の症状に深く関わっています。しかし、何故心臓が悪いと呼吸異常が起こるのか、その詳しいメカニズムはわかっていません。本研究では、心不全で心臓の機能が衰えると脳循環の調節が変化して呼吸異常が起こる可能性を明らかにし、同時に肺での酸素と二酸化炭素の交換機能も大きく変動させていることを示しました。心不全患者の呼吸異常のメカニズムの一端を明らかにし、今後、心不全患者へのリハビリ・治療に大きく貢献できる研究として、呼吸循環に関する国際専門誌に掲載されました。


青木元邦先生

青木元邦先生
教授

共通教育部門

  • 川畑浩久先生
  • 鍼灸学科 准教授

「Effect of Angiotensin II Receptor Blocker, Olmesartan, on Turnover of Bone Metabolism in Bedridden Elderly Hypertensive Women with Disuse Syndrome」 降圧剤アンジオテンシンII受容体拮抗薬が高齢の廃用症候群女性の骨代謝に及ぼす影響

掲載誌:Geriatrics & Gerontology International  2015

健常者の骨では、形成と破壊がバランスよく拮抗し、一定の骨密度が保たれています。これまでに私たちは、血圧を調節する重要な物質であるアンジオテンシンIIが、この骨の代謝に影響を及ぼしていることを基礎研究で明らかにしてきました。本臨床研究では、寝たきりに陥った高齢者の高血圧患者では骨破壊が亢進しており、アンジオテンシンIIの働きを阻害する高血圧治療の薬が骨密度の減少にも抑制的に働く可能性を示しました。一見独立している2つの疾患、骨粗鬆症と高血圧が実はリンクしており、骨粗鬆症を踏まえた高血圧治療という新しい概念を報告しました。どちらもお年寄りに多い疾患であり、これからの超高齢社会において有意義な研究で、老年医学の専門国際誌に掲載されました。


中正美先生

中正美先生
助教

理学療法学科

「Postural responses to various frequencies of vibration of the triceps surae and forefoot sole during quiet standing」 安静立位時の下腿三頭筋と足底前足部への種々の周波数での振動刺激に対する姿勢応答

掲載誌:Perception 2015

立位時にアキレス腱や足の裏の指の近くに60~100Hzの振動を加えると、身体が前に傾いたという錯覚が起き、無意識的に身体を後ろに倒そうとする反応が起きることが知られています。本研究では、その振動が20Hz以下の場合には、身体を前に倒そうとする逆方向の反応が生じることを初めて明らかにしました。これは、比較的強い感覚情報と弱い感覚情報とで、それに対する人間の体の処理の仕方が異なることを示しています。姿勢の調節反応は、理学療法を行う上でも常に念頭におくべき大切な分野で、本研究は感覚研究分野の専門国際誌に掲載されました。


過去の学会発表

木内隆裕先生

木内隆裕先生
講師

理学療法学科

「理学療法診療ガイドラインに関する調査研究」

第50回日本理学療法学術大会にて発表
(大会企画優秀賞(調査研究部門)受賞)

医療の分野では、より良い医療を提供するため、臨床家と患者さんの意思決定をサポートする目的で診療ガイドラインが作成されていますが、その質の高さは様々です。私達は「理学療法診療ガイドライン第1版」の質を国際的評価基準で評価し、改善に向けた提言をしました。この研究は理学療法の全国学会において大会企画優秀賞(調査研究部門)を受賞しました。


吉村弥須子先生

吉村弥須子先生
教授

看護学科

「肝移植後のレシピエントの妊娠・出産における心理的体験と医療支援に関する研究」 The psychological experiences for pregnancy and delivery in liver transplant recipients, and medical support

13th Congress of the Asian Society of Transplantation
第39回日本外科系連合学会
第32回日本肝移植研究会
第50回日本移植学会 にて発表

近年、臓器移植後の妊娠・出産が増加しています。肝移植は生命の危機に直結し、移植後は免疫抑制剤を一生飲まなければなりません。そのような患者様の妊娠・出産に対して十分な支援が必要です。そこで本研究では、肝移植を受けた患者様で妊娠・出産された方にインタビュー調査を実施し、子どもを持つことに対する思いや妊娠中の不安などを明らかにしました。その結果、肝移植を受けた患者様では服用している免疫抑制剤がわが子に影響を及ぼすのではないか、また自分の体調が悪化しないかなどの不安を抱えていることがわかりました。現在、日本移植学会では臓器移植後妊娠・出産のガイドライン作成が行われています。今後は臓器移植後妊娠・出産も増えていくと思われ、移植を受けた患者様やその家族が安心して妊娠・出産に臨むことができる医療支援体制を整えることは看護領域における重要な課題です。


増山祥子先生

増山祥子先生
講師

鍼灸学科

  • 山下 仁先生
  • 鍼灸情報センター 教授

「日本で実施された鍼のランダム化比較試験のレビューおよび質の評価」 A review of randomized controlled trials on acupuncture in Japan

第64回(公社)全日本鍼灸学会学術大会
International Scientific Acupuncture and Meridian Symposium
にて発表

ランダム化比較試験(RCT)による鍼の臨床的エビデンスの検証はむしろ欧米において盛んに行われていますが、歴史的には日本の方が古く、また近年も小規模ではありますが国内で多く実施されています。その現状と特徴を定期的にレビューし評価してきました。一定の選択基準と除外基準にもとづいて国内で実施された鍼のRCTを集計すると、1970年から2014年末までに146件のRCTが発表されていました。疾患は運動器系が最も多く、サンプルサイズは6~272(平均36.4±39.3)でした。対照群の設定は、異なる鍼治療法40%、偽治療36%、通常治療または無治療28%であり、欧米のRCTがそれぞれ8%、53%、37%であるのと対照的に、異なる鍼治療を比較するようなRCTが多いのが日本の特徴でした。ただし2000年代からは日本でも偽鍼対照RCTが増えています。また、Cochrane Risk of Biasツールで評価すると、割付の隠蔽、評価者ブラインド、ITT解析、試験の事前登録などが不十分でした。総じて日本の鍼のRCTの規模は小さいままであり、欧米と日本では対照群の設定すなわちresearch questionが異なる場合が多いようです。規模だけでなくバイアスリスクを減少させるための方法論的改善の余地があることがわかりました。


工藤慎太郎先生

工藤慎太郎先生
講師

理学療法学科

「Comparison of the foot kinematics during weight bearing between normal foot feet and the flat feet」

25th congress of International Society of Biomechanics(Glasgow)にて発表

この研究は扁平足の人と一般の人との踏み込み時の足部の運動を調べた研究で、国際学会で発表されました。扁平足では内側の土踏まずが潰れやすくなっているのですが、実は、足の外側も潰れやすくなっていることがわかりました。そのため、足の内側だけでなく、外側にも治療や中敷きを入れた方がいいという可能性を示しました.


三木屋良輔先生

三木屋良輔先生
准教授

理学療法学科

「訪問リハビリテーション利用者の居宅における熱中症リスクについて」

第50回日本理学療法学術大会にて発表

近年、熱中症患者が増加しており、その発生は屋外だけでなく、室内でも発生することがよく知られています。体温調節機構が弱まった高齢者では居宅時の発症に特に注意が必要です。そこで本研究では、平成26年8月に訪問リハビリテーション利用者56名の居宅環境(寝室)における暑さ指数(WBGT)を調査しました。結果、熱中症発生リスクが高い厳重警戒ラインの寝室が11.5%、警戒領域の寝室が2 5.4%にも及んでいました。夏場にクーラーを使用しないと熱中症のリスクが非常に高まるので注意が必要です。理学療法の専門学会で発表されました。


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