研究紹介 Research
2025/12/03
論文が掲載されました(インクルーシブ医科学研究所 堤 真大准教授)
このたび、インクルーシブ医科学研究所 堤真大准教授の論文が「Journal of Anatomy」に掲載されました。
なお、本研究は科学研究費助成事業(科研費)22K17645の助成を受けて実施されました。
Title:Significance of fiber orientation in the interosseous sacroiliac ligament: An anatomical and histological study of the implications of its mechanical adaptation
Journal:Journal of Anatomy. 2025 Nov.
Authors:Tsutsumi M, Nimura A, Utsunomiya H, Ibara T, Kudo S, Akita K.
WEB link:doi.org/10.1111/joa.70077
研究の概要
仙骨と腸骨の間に位置する仙腸関節は、可動性の少ない関節とされていますが、背骨(=仙骨)と下肢帯(=腸骨)の間で力を伝達する上で、そのわずかな可動性が重要と考えられています。しかし、こうした可動性が仙腸関節のどのような構造に裏付けられるのかについては、十分に明らかになっていませんでした。
本研究では、仙骨と腸骨の間の狭い空間に存在する「骨間仙腸靭帯」に着目し、この靭帯を構成する線維の向きに規則性があることを明らかにしました。さらに、靭帯と骨の間には滑液包のような構造があることもわかりました。
線維の規則性はそこに加わる力の加わり方に適応したものであり、力が加わった際に生じる骨と靭帯間の運動を円滑にするため滑液包が存在したと考えられます。骨間仙腸靭帯は仙腸関節のわずかな可動性に適応した安定化機構であると考えられました。
科研費に関する情報
科研費若手研究22K17645
疎性結合組織から考える股関節の運動療法革新に向けた解剖学的基盤研究
科学研究費助成事業(研究費)
教員データベース
下記より研究者の業績等がご覧いただけます。
堤真大准教授(インクルーシブ医科学研究所)