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理学療法士は、リハビリテーション医学にたずさわる重要なチームの一員です。理学療法士の役割は、身体に障がいを持った人の基本的動作能力の回復をうながし、その人の日常生活動作における制限を最小化することです。
これによって、患者さんが個人及び社会レベルでの活動に復帰できるよう支援します。理学療法士が行う治療の特色は、薬や手術によらず、熱、水、音、電気、徒手(手による身体の操作)、体操などを治療手段として用いるところにあります。
つまり、理学療法士は力や物理的エネルギーが身体におよぼす影響を熟知しており、それらを患者さんに応じて適切に用いることのできるエキスパートといえます。さらに理学療法士は、より良い治療を行うために最新の医学知識を取り入れるだけでなく、自ら新しい治療技術を生み出していくという創造的な側面を持っています。
理学療法士が患者さんに対して運動療法を行う際、その補助役として力作業や単純運動などの動作を支援するロボットの研究が進んでいます。近年は患者さん一人ひとりの動きを覚えることで、個人差のある複雑な動きにも対応できるようなロボットも開発されています。理学療法士とロボットが一緒になってリハビリテーションに取り組むことで、さまざまな効果が認められています。

これまで、原則、医師や看護師以外には認められていなかった「痰の吸引」の医療行為が、2010年の法改正により、理学療法士も行えるようになりました。呼吸のリハビリテーションでは、患者さんの姿勢を変えて痰を喉元まで移動させる「体位排痰法」というものがあり、喀痰吸引はこれを安全・適切に行うために必要な行為でした。今回の法改正により、医療サービスの質が向上するだけでなく、人工呼吸器をつけて在宅で療養生活をする小児や高齢者の介護を支える人材が増えることになります。

頭で考えたことをコンピュータが解析し、ロボットなどの機械をその通りに動かす技術「BMI(ブレイン マシン インターフェース)」が、医療界で注目されています。これまでBMIは、手や足など身体の一部を補うために装着する人工物(義肢)の進化型で、損なわれた機能を代償するリハビリテーションと考えられてきました。しかし、現在では機能障害の回復をめざすリハビリテーションに応用する「治療 BMI」への取り組みも始まっています。例えば、脳卒中の患者さんの場合、身体を動かそうと念じることで、機械がその脳波を読み取り、強制的に身体を動かします。訓練を重ね、脳からの命令を筋肉に伝わりやすくすることで、機能回復をはかります。リハビリテーションの世界は、あらゆる可能性を模索し、発展しています。
