医学分野
病気やけがの診断、治療、予防にあたる
医師
精神的にも肉体的にもタフでなければ務まらない
チーム医療の要
仕事紹介
医師のお仕事
医師は、大学や研究所などに在籍し、薬剤や治療法など基礎医学の研究を行ったり、医療技術や新薬開発を行ったりする「研究医」と、実際に患者さんの治療・予防やリハビリテーションを行う「臨床医」に大別されます。臨床医は患者さんを診察し治療を行いますが、働き方としては、病院などに所属し内科や外科、小児科など専門分野に分かれて診療する勤務医と、自身で病院を経営する開業医に分かれます。開業医の場合、専門分野に分かれず複数の診療科を持つことが多く見られます。各医療職に検査や治療の指示を出すため、医療の中心的な役割を担う臨床医は、一般的に年収や社会的地位が高く、昔から人々の憧れの職業でした。しかし実際は、患者に対して負う責任が非常に重く、労働時間も不規則なため、憧れだけでめざすことが難しい職業です。精神的にも肉体的にもタフでなければ務まらない職業といえるでしょう。
近年ではそうした環境を改善するため、これまで医師のみが行ってきた業務を各専門職ができるよう業務範囲を広げるなど、医師の負担を減らすことが医療界の大きな課題となっています。
活躍の場
医師の活躍の場といえば、病院や診療所などのイメージが強いですが、大学や病院附属の研究機関で働く研究医も全体の約1割程度います。主な働き場所としては、国内外の国公立民間病院などの医療機関、個人開業クリニック、保健所、健診センター、保健福祉センター、高齢者健康施設、行政機関(厚生労働省や地方自治体の厚生関連部局、WHOなどの国際公務員)、福祉事務局、各研究機関などがあります。大学での教官や、司法解剖などを行う法医学者として活動する人もいます。
ミニコラム
質の高い医療を提供する新専門医制度
医師としての質を高め、良質な医療が提供されることを目的に、「新専門医制度」が2018年4月から導入されました。初期研修(研修医)を終了すると、原則的に内科や外科など19領域の「基本領域」の専攻医となり、3年間所定の研修を受けて専門医資格を取得します。さらにその分野に関連したより専門性の高い23領域の「サブスペシャルティ領域」の専門医資格をめざしていきます。
〈基本領域専門医〉
内科、小児科、皮膚科、精神科、外科、整形外科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、泌尿器科、脳神経外科、放射線科、麻酔科、病理、臨床検査、救急科、形成外科、リハビリテーション科、総合診療科
〈サブスペシャルティ領域専門医〉
■内科領域
消化器病、循環器、呼吸器、血液、内分泌代謝、糖尿病、腎臓、肝臓、アレルギー、感染症、老年病、神経内科、リウマチ、消化器内視鏡、がん薬物療法
■外科領域
消化器外科、呼吸器外科、心臓血管外科、小児外科、乳腺外科、内分泌外科
■放射線領域
放射線治療、放射線診断
資格情報
資格取得のルート

医師の国家試験の合格状況
(全国平均)
※出所:厚生労働省
2025年医師国家試験の新卒と既卒を合わせた合格率は92.3%で、
過去10年で2番目に高く、新卒の合格率は95.0%でした。
(6年制卒+その他)



