保健医療学研究科 看護学専攻(博士前期課程)
学位:修士(看護学) 修業年限:2年
看護学専攻長からのメッセージ
看護学専攻[博士前期課程]では、学士課程やこれまでの実践で修得した知識や技術をさらに発展させ、学識を深めるとともに、より高度な専門的知識とevidenceに基づく看護実践を志向しつつ、教育・研究的視点をもってチーム医療のキーパーソンとなる看護実践マネジメントリーダーを育成することをめざしています。そのために、8つの看護学専門分野を整備し直し、高度な実践力・マネジメント力・協働推進力・教育推進力・臨床研究推進力の5つの能力を培えるよう、2024年度からカリキュラムを再編し、且つ、就労しながら学修できるよう環境を整えて、皆さんをお待ちしています。
内田宏美 教授
看護学専攻[博士前期課程]の特色
看護学専攻[博士前期課程]では、学士課程やこれまでの実践で修得した知識や技術をさらに発展させ、学識を深めるとともに、より高度な専門的知識とevidenceに基づく看護実践を志向しつつ、教育・研究的視点をもってチーム医療のキーパーソンとなる看護実践マネジメントリーダーを育成することを目的としています。本学ではこれを実現するための教育体制を整えており、次のような能カ・資質の獲得を以て修了を認定し学位を授与します。

5つのチカラを育む8つの看護学専門分野
専門分野
研究指導教員
看護教育学分野
看護教育とは何か、という本質的課題をベースに、日本の近代看護教育の変遷をもとに、当該機関の理念や目的を認識したうえで教育的に関われる教育推進力が求められる。教育活動上の問題を批判的に分析し、解決策を導き出せる能力の修得を目指す。
看護管理学分野
看護専門職には、保健医療福祉等に携わる人々と連携・協働して課題を解決し、質の高い看護を創造していくマネジメント力が求められる。関連する諸理論の枠組みを活用して看護管理上問題を批判的に分析し、解決していくための能力の修得を授業の柱とする。
急性・慢性・がん看護学分野
複雑化、高度化する現代医療のなかで、生命の危機状況、慢性疾患・がん患者の意思決定やQOL向上を目指した看護実践においては看護者の葛藤も多い。看護実践上の課題解決に向けた方略を探究し、看護ケアのエビデンス、諸理論等を活用し、判断力、倫理観を持って医療チームのリーダー的役割が担える能力の育成を目指す。
老年看護学分野
超高齢者社会が進み、老年看護学の果たすべき役割は重要であり、高齢者のQOLを維持し、リスクの最小化と安らかな死を迎えるための質の高い看護を探究することが求められる。高齢者ケアの様々な課題について看護職の専門性を高め、多職種と連携したケアの構築を牽引できる能力の修得を目指す。
精神看護学分野
複雑化する社会の中で、人々のメンタルヘルスの問題は重要である。本講座では、精神看護学の研究に必要な諸理論・概念を学びながら、精神障害者のみならず、さまざまな人々に焦点をあて、メンタルヘルスに関する課題解決のための方法を探求できる能力育成を目指す。
育成看護学分野
育成看護学では、女性の成長・発達の過程と各ライフサイクルの健康課題と看護支援について理解し、個から家族そして社会の抱える健康課題に対する有用な支援が求められる。 各発達段階におけるリプロダクティプヘルス&ライツの課題を学び、健康支援能力の修得を柱とする。
在宅看護学分野
在宅ケアに関連する院生の臨床経験を大切にし、多様な視点から研究指導を行う。在宅看護学の学術領域の諸理念、理論を学びながら、課題解決のためのプロセス、実践、評価の方法を探求し、高度な在宅看護実践者としてリーダーシップを発揮できる人材を育成する。
公衆衛生看護学分野
健康の社会的決定要因により急速に流動する現代の健康問題は複雑化し、保健活動の困難さも増大している。本分野では、混迷する状況下でも現状を分析し、適切に意思決定できる看護職を育成するため、保健活動のエビデンスを創出・活用・共有できる分析および評価能力を教授する。
教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)
- カリキュラムを共通基盤科目、専門科目、研究科目に区分する。
- 共通基盤科目は、看護学の専門分野を問わず修士課程の大学院生が修得すべき看護学に共通する科目として、「看護研究方法」「看護倫理特論」「ヒューマンケア理論特論」「コンサルテーション特論」「保健医療看護政策特論」「家族看護学特論」「看護学英語文献講読」「QOL評価法特論」「医療安全・チーム医療特論」「フィジカルアセスメント」「補完統合ヘルスケア特論」の11科目を配する。その内、「看護研究方法」は修士論文の研究に取り組むために必要不可欠の内容であることから、1年次前期開講とし、必修とする。共通基盤科目では、必修2単位を含む14単位以上を修了要件とする。
- 専門科目は、8つの看護学専門分野の看護学特論から成る。看護学専門分野の科目として「看護教育学特論」「看護管理学特論」「急性・慢性・がん看護学特論」「老年看護学特論」「在宅看護学特論」「精神看護学特論」「育成看護学特論」「公衆衛生看護学特論」の各特論2単位を配し、専攻する専門看護学分野の特論2単位、専攻専門分野以外の特論4単位以上を修了要件とする。
- 研究科目として「専門分野研究方法」2単位、「特別研究」8単位を配し、修士論文作成に取り組むための科目として必修科目とする。
教育方法
- 専門分野の看護学の知識を修得するとともに、研究的関心を絞り込めるよう、専門分野の特論を1年次前期に履修してコースワークを行う。研究的関心に沿って文献をクリティークした後、研究計画を策定し、年度内に研究倫理審査の承認が得られるよう、専門分野研究方法を1年次後期に配し、リサーチワークに移行させる。1年かけてじっくりと修士論文の研究に取組み、それをまとめられるよう、特別研究8単位を2年次の通年で配し、リサーチワークを行えるようにする。
- コースワークからリサーチワークへの移行がスムースに行えるよう、研究方法の基本を学修する「看護研究方法」を1年次前期に配する。
- 研究者としての倫理観を養い、研究公正の重要性を自覚できるよう、教員と同じく、学内研究倫理セミナーまたは研究倫理eラーニングの毎年の受講を義務化する。
- リサーチワークを看護学専攻全体で支援する仕組みとして、1年次9月に合同ゼミ、1年次3月に中間報告会、2年次9月に合同ゼミ、2年次1月に成果発表会(公聴会)を設け、客観的評価とフィードバックにより研究のブラッシュアップを図る。
- 講義か演習かにかかわらず、授業は少人数による対話形式で行い、学生の自発的学習、課題発見、解決模索の態度を重視し促すことを基本とする。
学修成果の評価方法
- 各科目のシラバスに定める成績評価法にもとづき評価する。
- 共通基盤科目、専門科目及び専門分野研究方法においては、授業中の質疑、意見、討論の内容、及び提出されたレポートの内容を重視する。
- 特別研究においては、修士論文の内容だけでなく、当該テーマに関連して在学中に行った学会や研究会での活動内容、及び公聴会における発表と質疑応答の内容も評価材料とする。
5つのチカラを育む系統的カリキュラム
カリキュラム
共通基盤科目 |
看護研究方法 看護学英語文献講読 看護倫理特論 QOL評価法特論 ヒューマンケア理論特論 医療安全・チーム医療特論 コンサルテーション特論 フィジカルアセスメント 保健医療看護政策特論 補完統合ヘルスケア特論 家族看護学特論 |
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専門科目 |
看護教育学特論 在宅看護学特論 看護管理学特論 精神看護学特論 急性・慢性・がん看護学特論 育成看護学特論 老年看護学特論 公衆衛生看護学特論 |
研究科目 |
専門分野研究方法 特別研究 |
修了に必要な単位
[共通基盤科目]14単位[専門科目]6単位[研究科目] 10単位[合計]30単位以上
修士論文作成プロセスを支える仕組み

在学生VOICE
自身の学びを社会に還元するために
結婚・出産を機に看護師を退職後、縁あって教員として森ノ宮医療大学で働いています。その中で、自身の臨床経験だけで学生指導を行うことに限界を感じたため、大学院進学を決めました。大学院では、ケアメソッドのひとつである「ユマニチュード」の効果検証をテーマに研究を行っています。高齢化が進むわが国において、認知症高齢者への看護はますます需要が高まることが予想されますが、患者さんを理解することは学生の臨地実習や教員の学生指導だけでなく、現場の助けにもなるはずです。
進学にあたり、仕事や家庭と並行できるか不安はありましたが、家族や職場、大学院の先生方の協力もあり充実した学生生活を送っています。新たな知識を得る楽しさとともに、自身の看護の幅が広がっていることも実感。今後もさらに研鑽を積み、身に付けた知識を、学生を通して社会へ還元していきます。
松村 比呂子さん
森ノ宮医療大学大学院 看護学専攻博士前期課程/2024年入学
2025年度 大学院説明会
実施日
7/20(日)、8/24(日)、11/9(日)
15:00~16:00(14:30受付開始)
※看護学専攻は上記のほか、7月~12月の毎月第1金曜日17:30~19:00に個別相談を実施します(申し込み不要。「本学W棟239研究室」へ直接お越しください。)
場所
森ノ宮医療大学(受付:イーストポート)
申込フォーム
上記日程で参加できないため個別相談をご希望の方
● 個別相談を承ります。下記の項目を入れて、本学宛にメールにてお申し込みください。
● 担当教員より直接連絡しますので、個別相談の日時や相談方法(メール・オンライン・対面など)を調整ください。
森ノ宮医療大学 入試課
[E-mail] univ@morinomiya-u.ac.jp[TEL] 0120-68-8908
※下記の項目をご記載ください。
1.【件名】に「大学院説明会」と記載
2.相談を希望する教員名(決まっている場合のみ)
3.研究テーマ
4.第一志望専攻名
5.保有(取得見込み)の医療系資格
6.希望するご連絡方法、時間帯
7.個人情報(氏名、フリガナ、最終学歴、メールアドレス、住所、電話番号、職業)
大学院紹介動画/入試説明動画
大学院の概要や入試情報を動画で説明しています。個別相談会に参加する前に、各専攻の詳細や入試概要については動画で確認するようにお願いします。
2026年度 大学院パンフレット
大学院パンフレットをWeb上でも公開中です。
大学院の特色や学びについて詳細な情報をご覧いただけます。
教育訓練給付制度(一般教育訓練)指定講座認定
本学の保健医療学研究科 看護学専攻(博士前期課程)は「一般教育訓練給付制度」の指定講座です。社会人または社会人経験のある方は、雇用保険の被保険者期間など一定の条件を満たすことで、支払った教育訓練経費(入学金および授業料)のうち、20%(最大10万円)が支給されます。
■支給の手続き
※全国のハローワークの所在地はコチラからご確認ください。
■指定講座番号のご案内
教育訓練施設名:森ノ宮医療大学
一般教育訓練講座の名称:森ノ宮医療大学大学院 保健医療学研究科 看護学専攻 博士前期課程
指定講座番号:2722005-2320042-4
■明示書の公開
指定教育訓練の内容や教育訓練経費の範囲等に関する事項をまとめた「明示書」を次のとおり公開します。
コンテンツ一覧
大学院保健医療学研究科看護学専攻(博士前期課程/NPコース)学生募集停止のお知らせ
森ノ宮医療大学大学院保健医療学研究科看護学専攻(博士前期課程/NPコース)について、2024年度入学生から学生募集を停止することといたしましたので、お知らせいたします。
大学院保健医療学研究科 看護学専攻(博士前期課程/NPコース)について
看護学を基盤とし、診療とケアを統合した新しい時代を担う診療看護師(NP)を育成することを目的としている。
- 医療面接や身体診察を通して臨床推論を行い、検査・治療のマネジメントが提案できる臨床能力の獲得を目指す。看護師の感性に加え、高度な専門性・実践力を備えることでチーム医療の要として更に活躍でき、人々の健康の向上、地域医療における課題を改善することにつながる。
- これまで培ってきた看護領域の専門性を更に深め、かつ従来の看護特性を活かすことでより包括的医療の実践が可能となり、安心・安全な医療が提供でき、新しい時代の看護学・看護の発展進化に貢献できる。