医療系総合大学で看護・理学療法・作業療法・臨床検査・臨床工学・診療放射線・鍼灸を学ぶ

DEPARTMENT OF ACUPUNCTURE 医療技術学部

学部・大学院・専攻科 SPORTS SPECIAL COURSE

スポーツ特修コースについて

医療系国家資格「はり師・きゅう師」に加えて教員免許
「中学校・高等学校教諭一種免許状【保健体育】」の取得をめざすコース

医療知識・技術に加え、スポーツに関するより深い専門知識や指導技術を学べるコースです。
教職課程を履修することで保健体育の教員免許を取得することができるほか、健康運動実践指導者の資格も取ることができます。

教員採用試験合格者

※教員免許の取得にはスポーツ特修コースの卒業単位に加え、教職課程科目の単位(高校教諭33単位、中学校・高校教諭39単位)を修得する必要があります。

資格説明

はり師・きゅう師

鍼(はり)と灸(きゅう)を使って、痛みをコントロールしたり内臓の働きを良くし、回復力を高める伝統医療を行う国家資格です。医療系国家資格の中では数少ない「独立開業権」を持ち、資格取得後は鍼灸師として鍼灸院の開業や、スポーツトレーナー、さらには美容分野と幅広く用いることのできる治療・予防技術です。

中学校・高等学校教諭一種免許[保健体育]

国公立・私立の中学・高等学校で保健体育科の教師として働くために必要な資格です。専門の科目・教科を教えるだけでなく、担任として学級を運営したり、クラブ活動などを指導監督したりと生活と学習の両面からサポートすることが求められます。また、からだの仕組みについての指導やケガなどが起こった時に応急処置を行えるように指導するなどの医療知識も必要となります。

健康運動実践指導者

積極的な健康づくりを目的とした運動を安全かつ効果的に実践指導できる能力を有する者に与えられる資格です。現在、社会が直面している健康課題、さらに生活習慣の乱れやストレスが健康に及ぼす影響などを改善する知識や指導スキルは大変重要になってきており、運動指導はもちろん、教育現場でも大変有効な資格です。

学びの特長

医療大学で「保健体育教員免許」を取得する5つのメリット

  1. 医療系国家資格と教員免許のダブルライセンスが取得可能
    近年、中学校・高等学校でスポーツの競技レベルが高まっており、生徒の怪我も多様化しています。それに伴い、医療系国家資格(はり師・きゅう師)を有し、怪我への対応や予防、コンディショニングを行える教員への期待が高まっています。
  2. 体育系大学よりも基礎医学を広く深く学べる環境
    他大学のスポーツ・健康科学系の学部・学科と比較して、解剖・生理学など基礎医学の学びを豊富に用意していることが特徴。体育・スポーツ指導に必要な基礎医学と運動生理学の知識を持ってリスクマネジメントができる教員・指導者を養成します。
  3. 徹底した少人数教育
    スポーツ特修コースの定員は20名。医療大学だからこそできる、きめ細やかで質の高い少人数教育です。一人ひとりの個性や成長、目的に合わせた指導を行う本学なら、自分のペースで確実に学力やスキルを高めることができます。
  4. トレーニングプログラムを作成するための高度なスポーツ科学を学ぶ
    医科学的な視点でスポーツ生理学や運動による身体機能向上のメカニズムを研究します。これにより各スポーツ種目に特化した効果的なトレーニング方法の開発が可能です。
  5. 専門分野を極めた教員が指導
    全教員が各々の分野で優れた研究業績と指導経験を有する専門家。最新の研究結果を体育・スポーツの現場で生かせるよう、理論面と実践面におけるバランスとつながりを重視した教育を実施しています。

カリキュラム・授業紹介

医療×教育の両面を学ぶカリキュラム

講義・演習 -人体の仕組みや運動について理論で考察-

運動制御系や呼吸循環系の解剖と生理を学び、スポーツ・健康科学の基礎知識を身につけます。演習では、課題に班単位で取り組み、運動時の呼吸・循環応答、そして神経・筋機能を測定評価する方法論の基礎などを学修します。

講義・演習例
運動生理学/スポーツ心理学/スポーツバイオメカニクス/トレーニング科学演習Ⅰ~Ⅳ

教育実習 -保健体育・スポーツを生徒へ教える技術を培う-

学内で身につけた知識と指導力を、実際の学校で授業に臨むことで鍛え上げます。教育実習の前後には、現場経験豊富な教授からの指導を実施。医療大学だからこそ得られたスポーツ・医療科学の専門的知識を教材研究に発揮できることも強みになります。

講義・実習例
保健体育科教育法Ⅰ〜Ⅳ/教育実習事前事後指導/教育実習Ⅰ・Ⅱ/教職実践演習(中・高)

スポーツ実習 -指導者としてスポーツにアプローチ-

教育とスポーツの現場に必要な基礎的知識と技術、安全や環境に配慮したスポーツ実習のあり方について学びます。一つの種目を集中的に学ぶことで、指導者に求められる効果的な指導法を修得。少人数制で、個々の習熟度と課題を明確にします。

実習例
スポーツ実習Ⅰ~Ⅷ(陸上競技、水泳、器械運動、ダンス、柔道、球技、体つくり運動、生涯スポーツ)

将来の活躍分野

医療
  • 鍼灸院
  • 医療系研究施設
  • 病院・クリニック
体育
  • 中学校教諭(保健体育)
  • 高等学校教諭(保健体育)
スポーツ
  • スポーツトレーナー
  • スポーツ・健康産業
  • スポーツ用品メーカー
  • フィットネスクラブ

卒業生インタビュー

[教育]

教育やスポーツの専門知識、
そして確かな医療知識を、
生徒のために。

中学時代にお世話になったバスケットボール部の顧問の先生に憧れて、教員の道へ。何事もあきらめず、どの生徒にも元気に声をかける情熱的な姿勢は、今も私のお手本です。やりがいを感じるのは、子どもたちの成長を実感できたとき。私の指導に対して、最初は反応が無かったような生徒が、やがて意味を理解し、課題を克服しようと自ら頑張ってくれたことがありました。伝えること、信じることの大切さを実感するとともに、よろこびを感じたことを覚えています。保健体育や支援学級の教員として、生徒たちの授業や課題のサポートに奮闘する日々の中、念願だったバスケットボール部の顧問も担当。私が森ノ宮医療大学を選んだのは、保健体育の教員免許が取れるだけではなく、確かな医療知識や鍼灸技術を修得できることに魅力を感じたからだったのですが、まさにいま、その学びが役に立っています。また、在学中はテーピングやアイシングなど、スポーツの現場で通用する実践的な技術の数々も身につけられました。教育、スポーツの専門知識、そして確かな医療知識を、これからも生徒のために役立てたいと思います。

安達 美花 さん

[2017年3月スポーツ特修コース卒業/大阪府・堺東高校出身]
高槻市立公立中学校/教員

[スポーツ]

自らかなえたプロトレーナーになる夢。
プロサッカー選手の身体を預かる責任と向き合う。

大学卒業後、鍼灸整骨院で約5年半勤務。同時に、高校サッカー部のトレーナーとしても活動していました。働きながら、いつも心にあったのは、高校でお世話になった専属トレーナーの方への憧れです。「自分もプロのトレーナーになりたい」。その思いが日に日に募り、ついにJリーグの世界へ飛び込むことに。何通もの履歴書を送り、誠意をもって伝え続けた熱意が受け入れられ、現在はヴァンフォーレ甲府のトップチームトレーナーとして働いています。私の主な担当は、選手のメンテナンスやケア、治療の分野。身体をほぐすためやケガの再発防止のために鍼灸やマッサージなどを行っています。メディカルチームの一人ひとりがそれぞれの強みを生かし、選手を最高の状態にもっていく。その責任の大きさに、プロとしての自覚が高まります。在学中に学んだ知識が実感を伴った理解に変わり、現場に生かされていると感じています。
またトレーナーとして働き始めて痛感したのは、無知の怖さです。選手から処方されている薬について聞かれた時、私は答えることができませんでした。薬の処方はドーピングにもつながり、選手生命を左右しかねないことになります。ただ身体を診るだけではなく、薬の知識ももったうえで指導を行うことや、選手が気持ち良くトレーニングできる環境を整えること、その全てができて、初めてプロとして“選手の身体を預かること”になるのだと実感しました。
今後はさらに経験を積み、自信と高い知識をもって選手の未来をも見据えた最善のジャッジができるトレーナーになりたいと思っています。そして、Jリーグチームのトップチームトレーナーとして最前線で働き続けたいです。

芝田 涼介 さん

[2014年3月鍼灸コース卒業/大阪府・大阪桐蔭高校出身]
J2 ヴァンフォーレ甲府(株式会社ヴァンフォーレ山梨スポーツクラブ)/鍼灸師・日本スポーツアロマトレーナー

施術中の
芝田トレーナー

[スポーツ]

スポーツトレーナーと整骨院での勤務を両立。
目の前にあるニーズを的確に捉え、信頼される医療人に。

大学卒業後、スポーツチームとの連携やトレーナー派遣に注力している会社に入社。さまざまなスポーツチームで経験を重ね、現在は女子サッカーなでしこ1部リーグ所属のニッパツ横浜FCシーガルズのトレーナーとして働いています。選手のコンディション管理やリハビリなどを任され、練習試合や遠征に同行することもあります。時には総合的な医療知識が求められることもありますが「専門外だから」と切り離すことはできません。自ら調べたり、経験豊富な先輩トレーナーからアドバイスをもらいながら学び続ける日々です。常に選手ファーストで考え行動することが信頼されるトレーナーになる第一歩だと感じています。
また、トレーナー業務に加えて週に1日、整骨院で勤務しており、中年世代の患者さんを中心に、身体の不調に対する施術を行っています。「痛みをとってほしい」「もっと歩けるようになりたい」など、患者さん一人ひとりが思い描くゴールに最短で近づける方法を提案し、最善を尽くす。この心構えはトレーナーとして選手たちと向き合う時も変わりません。
施術を行う中では症状が思うように改善せず、新たな治療方針を提案することがあります。その時に思い出すのが、学生時代に教職課程の指導実践で学んだ“分かりやすく伝える力”です。私は鍼灸学科 スポーツ特修コースの1期生として、中学校・高等学校の教員免許(保健体育)を取得しました。患者さんが治療の趣旨をきちんと理解できるように筋道を立てて説明できているのは、教職課程での学びがあったからこそ、治療のみならず多くの場面で活用することができています。今後は選手や患者さんを自分の手で支えるだけでなく、自らの経験を共有することで鍼灸業界全体の活性化に貢献したいと考えています。
※インタビュー内容は2021年取材時のものです。

東浦 瑠依 さん

[2016年3月スポーツ特修コース卒業/奈良県・橿原高校出身]
株式会社爽健グローバル笑顔道整骨院グループ/鍼灸師・トレーナー

【写真提供】
ニッパツ横浜FCシーガルズ

[スポーツ]

カンボジアのプロサッカーチームで、
専属トレーナーとして生きる。

2019年シーズンより、カンボジア1部リーグに所属するプロサッカークラブ「アンコールタイガーFC」の専属トレーナーとして働いています。現在はチームの拠点でもあるカンボジアのシェムリアップという町に住み、選手の体調管理やケガの応急処置、リハビリメニューの考案などを行っています。日本に比べて医療体制が整っているとは言えない環境の中、選手がケガを負ったときは、都市部の大きい病院に行かせるかどうかの判断をゆだねられることもあり、とても責任ある仕事です。
専属トレーナーといっても契約は1年更新。腕が悪ければ契約を切られてしまう厳しい世界です。「チームに貢献できているか」「ニーズに応えられているか」。常にそういった「プロ意識」を忘れないようにしています。それは大学で力を入れていた「メディカルスポーツトレーナー研究会」の活動でも意識していたこと。これからも、自分から動いて道を切り開いていきたいと思っています。
※所属先・インタビュー内容は2021年取材時のものです。

原辺 允輝 さん

[2018年3月スポーツ特修コース卒業/大阪府・市岡高校出身]
Angkor Tiger FC/鍼灸師・トレーナー

クラブ活動

スポーツ特修コースでは、クラブ活動が実習経験とスポーツ指導者育成の場になります。

医療分野だけでなく、学校教育の現場やスポーツ関連分野で活躍でき、さらには地域住民のスポーツ指導および健康増進にも貢献できる人材の育成が、スポーツ特修コースの目的です。本学ではクラブ活動を、スポーツ・教育・医療分野の専門的知識や指導技術を身につける実習の場として位置づけています。スポーツ特修コースの学生は、原則、入学後に体育会クラブに所属することが必須となり、4年間継続して勉学と部活動(クラブ活動)を両立することをめざします。

※本学にないクラブ活動を希望される方は事前に本学までお問い合わせください。

強化クラブ
  • 女子バスケットボール部
  • 男子サッカー部

本学および本学のクラブ活動全体の活性化を目的として強化クラブを設け、活動の支援を行っています。

体育会クラブ
  • 準硬式野球部
  • 柔道部
  • 男子バスケットボール部
  • 陸上部
  • 硬式テニス部
  • バレーボール部(男子・女子)
  • バドミントン部

施設紹介

スポーツ実習の授業は学内施設のほかに、本学近隣(バスで10分)にある公設のスポーツ施設「舞洲スポーツアイランド」でも行います。国際大会でも使用される体育館「舞洲アリーナ」をはじめ、野球場や運動広場、テニスコートなど充実した施設が配置されています。


舞洲アリーナ

スポーツ施設・設備が充実

スポーツ領域を専門とする教員が監修した体育館「MTC(メディカル・トレーニング・センター)」には最新の機器が揃うトレーニングルームも併設されています。また2017年には、学びやキャンパスライフの環境拡充をめざし、総合スポーツメーカー ミズノ株式会社が施工する複合型スポーツ施設「グリーンスクエア」が完成。人工芝や照明を施工したフットサルコートのほか、ランニングコースや多目的グラウンドなどが完備されています。

体育館「MTC(メディカル・トレーニング・センター)」
複合型スポーツ施設「グリーンスクエア」
フットサルコート
ランニングコース

スポーツ特修コースに関するQ&A

コース選択について

コース選択はどのように決定するのですか?
出願・受験時ではなく、在学中に行います。入学後、学修を積んだうえで本人の希望と学業成績(GPA)などをもとに2年次に決定します。(※ただし、総合型選抜A日程【スポーツ実績重視型】での入学者は入学後のスポーツ特修コースへの在籍が義務づけられています。)
※スポーツ特修コース選考時(1年次修了時)には、1年次の学業成績(GPA)が関与します。また、教職志願書提出時には、2年次の学業成績(GPA)が関与します。
コース変更はできますか?
スポーツ特修コースに在籍していても、場合によっては鍼灸コースへのコース変更をすることも可能です。ただし、鍼灸コースからスポーツ特修コースへの変更は認められていません。
スポーツ特修コースに在籍しても鍼灸は学べますか?
はい。スポーツ特修コースもはり師・きゅう師国家試験受験資格を卒業時に取得することになり、鍼灸コースの学生と一緒に学びます。
スポーツ特修コースを希望する場合、体育会クラブに所属する必要はありますか?
原則、入学後いずれかの体育会クラブに所属することが必須となります。スポーツ特修コースでは、クラブ活動をスポーツ・教育・医療分野の専門的知識や指導技術を身につける実習の場として位置づけています。 ※本学にないクラブ活動を希望される方は事前に本学までお問い合わせください。

入試・学費について

総合型選抜【スポーツ実績重視型】について教えてください。
サッカー(男子)またはバスケットボール(女子)のスポーツ活動において「都道府県大会ベスト16」あるいはそれに準ずる実績を持つ方を対象に、面接、小論文などで選抜する入試です。出願にあたってはいくつかの基準がありますので、 詳細については事前にこちらでご確認ください。
スポーツ特別奨学金について教えてください。
「スポーツ特別奨学金」は、総合型選抜A日程【スポーツ実績重視型】に合格し、本学に入学される方を対象に給付される、本学独自の給付型奨学金です。

給付額

入学金25万円および授業料の一部(30万円)
※2年次以降も原則継続して毎年30万円を給付(毎年度末に審査あり)

対象

総合型選抜A日程【スポーツ実績重視型】に合格し、本学に入学される方
※審査があり、本学独自の他の奨学金との重複は認められません。
※在学中の成績結果等の審査により、奨学金が給付されない場合があります。

STUDENT'S VOICE [在学生ピックアップ]

教員免許×鍼灸師のダブルライセンスを取得!

もともとは教育大学をめざしていた私が鍼灸学科へ進学したのは、教員免許に加えて医療者(鍼灸師)資格も取得できるところに魅力を感じたから。教育現場において、部活でのケガの予防や処置、さらにはその復帰に向けたトレーニングの設定など、特にスポーツに取り組む生徒には、医療の力を必要とするときがあります。鍼灸の学びに加えて教職課程に取り組むので科目数や課題は増えますが、同じ道をめざす仲間と出会え、一緒に頑張っていく一体感のおかげで学ぶ意欲が高まります。

圧倒的な医療知識が身につくカリキュラム

医療について学べる授業が数多くあって、その中でも特に好きな授業は「東洋医学系鍼灸応用実習」。同級生とペアになって、疾患別に治療技術を練習する授業です。先生も目の前で手技を見せてくださり、臨床家の高度な技術に改めて驚きます。また、基礎医学として「生理学」や「運動学」を学びますが、この学修は保健体育の深い専門的知識の修得にもなります。患者さんの痛みや症状を伺うことも、教員として生徒の悩みを聴くことも、コミュニケーションという面では共通です。卒業後はこの2つの学びを生かして、教員として生徒の成長を支えていきたいです。

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