自ら考えて動く厳しさと、人と関わるやりがいを学んだ。

看護の現場で感じたのは、教科書に書いてある通りの環境が整っているわけではない、ということでした。大学で学んだケアの方法を、臨床で実践するためには、状況に応じて臨機応変な対応力が求められることを痛感。必要な道具をどのように確保するか、どのタイミングでケアを行うか、頭をフル回転させていたように思います。実習先へ向かう電車でさえ、教科書や看護技術の動画を見返したりと、とにかく必死でした。老年領域の実習では、高齢の認知症患者さんを担当。顔を合わせるたびに「はじめまして」とおっしゃる方でしたが、毎日お話をして寄り添うことで、やがて私のことを覚えてくれました。現場の看護師さんから「あの患者さんに笑顔が増えたね」と声もかけていただき、自信をもてた経験になったことを覚えています。不安もありましたが、自分が人と関わることが好きだと再確認できた貴重な機会になりました。