カナダで看護師として働く卒業生に広報課がインタビュー!
2024年12月09日(月)森ノ宮医療大学
森ノ宮医療大学の卒業生は、医療系国家資格を活用してさまざまなフィールドで活躍しています。今回は、カナダのToronto General Hospital(トロント総合病院)で勤務している本学看護学科3期生の福井紗希さんにお話を聞いてきました!
看護学科卒業生(3期生) 福井紗希さん
●現在の仕事内容について
カナダにあるToronto General Hospital(トロント総合病院)の臓器移植部門で勤務しています。業務内容は患者さんのアセスメントや薬の管理、医療処置などです。
カナダでは日本と違い看護師の業務範囲が明確に決められているため患者さんへのケアはケアワーカーに任せ、私たちは医師やNP(ナース・プラクティショナー)と連携を取ってアセスメントを中心に行っています。
●海外で看護師として勤務するまでの経緯について
森ノ宮医療大学では看護師と保健師の資格を取得するコースに在籍し、海外での勤務をめざしていたわけではありませんでした。しかし在学中に参加したMEEP(森ノ宮英語教育プログラム)の海外研修は、今の働き方を選ぶうえで大きなきっかけとなりました。私にとっては初の海外でしたが、約2週間カナダにあるアルバータ大学に行き、現地の文化に触れて海外の楽しさ・おもしろさに目覚めたことが今でも印象に残っています。
卒業後は東京にある慢性期の病院で2年間、1年間のワーキングホリデーを挟んで神戸にある大使館の指定病院で2年間、看護師として勤務しました。日本で働いていた2つの病院も英語が必要になる場面が多く、言葉の壁にもどかしさを感じたことが勉強を頑張る原動力になりました。ワーキングホリデーでは現在勤務しているカナダのトロントを訪れ、語学学校に通いながら、飲食店でアルバイトをして英語力を磨きました。
現在働いている病院に勤務するまでに行ったことは、現地の看護師免許取得と就職活動です。カナダは州ごとに看護師免許が異なっており、私はトロントがあるオンタリオ州で免許を取得しました。免許を取得するためには主にNNASという書類の申請とNCLEXという国家試験の受験が必要で、国家試験はパソコンで受験する点、前の問題に正解できたかどうかで一人ひとり問題が違う点が日本と異なっていました。試験内容もより臨床に即したものになっており、複数の患者さんを診る際の優先順位のつけ方や状況設定に関する問題が出ました。また採用は病棟ごとに行われるため、病院ではなく病棟に履歴書を送る点が日本とは異なっています。オンタリオ州での看護師資格取得後の就職活動はスムーズに進めることができ、就職活動よりも国家試験の方が何倍も大変だったという印象でした。
●海外で看護師として働く良さについて
カナダで働いてよかったと思うことは3つあります。1つ目は、業務が完全に分業されている点です。日本では看護師が多くのことを任されているためバタバタと動き回っているイメージがあるかと思います。カナダでも看護師が忙しい時間帯はありますが、すべき仕事が明確なため1日のスケジュールは立てやすいです。朝の採血や患者さんの移送などの業務はその仕事専門のスタッフがいるため、看護師は自分がすべきアセスメントや医療処置に集中することができます。2つ目は、休みが多い点です。カナダでは看護師は1日12時間勤務で、4日勤務して5日休みという決まったサイクルで働いています。そのため先の予定が立てやすいのがメリットです。また、1年に2回3週間のバケーションを取ることができ、この機会を利用して帰国することが多いです。3つ目は、給与面です。日本と比較して2~3倍の給与をいただけるので、給与にも満足しています。
●海外での勤務を考えている後輩たちへのメッセージ
看護師をめざしている後輩の皆さんの中には、海外に興味はあるけど語学面でハードルの高さを感じている方もいるかと思います。ですが、とにかくチャレンジしてみることが大切です。私もワーキングホリデーに行った際にはまだ英語があまり話せませんでしたが、ジェスチャーを活用して何とかコミュニケーションを取っていました。また現在は海外で看護師として働くうえで、認識の違いが起こらないように不確かな指示は再度確認するなど、注意して仕事をしています。病院には私のような外国人の医療者も多いです。英語が話せない患者さんも来るので、その場合には通訳をつけることもでき、安心して働くことができています。
さまざまな経験を通して視野を広げ、興味があることにチャレンジしていく中で皆さんが希望する将来像に近づけることを願っています!